冷たくて優しい先輩

 



入ってきたのは、優しそうな人だった。
私を見て、かなりびっくりしたのか、おお!と声を上げた。




「女の子じゃないか!友達って大翔が言ってたから男の子かと」


「こ、こんばんは!春波涼葉です!」



ガバッと頭を下げた。



「こんばんは。おい、陽!可愛い子じゃないか~!」


「父さん、春波はそういうのじゃないから!」


先輩がそう言うと、先輩のお父さんは笑いながら食卓についた。