今日は善福寺一家が集まる日。・・・らしい。
甲子園予選前に家族全員であつまる。
願掛け?ゲン担ぎ?
なんか、不思議な家族だなって思う。
甲子園はこの家族に大きな影響を与えてることがよくわかる。
聞いた話、この家族会議でレギュラーメンバーを決めるらしい。
なぜに、家族会議か。
それは私も知りたくて仕方ない。
というか、私がフライングでレギュラーを知ってしまう訳だ。
なんか、複雑。
朔弥が入ってればいいけど。
でも、家族会議で決めたレギュラーメンバーは間違いないらしい。
おじさんは、遠征メンバー30人のデータをまとめる。
それを見て全員で決める。
つまり、完全に実力と能力しかみていない。
怖い。
桜葉高校は、そのための高校だから仕方ないか。
家につくと、茜音さんや朝日くんがすでに来ていた。
「はじめまして!わたし、茜音!よろしく!」
すごいハイテンションだな。
茜音さんには子供が一人いるらしく、いま妊娠してる。
旦那さんとお子さんは連れて来ていないようだ。
「ったく、先こされちゃったよ。」
そう言うのは朝日くん。
「祭吏ちゃんだよね。ごめんね、甲子園家族会議に参加させちゃって。
なんかもう、恒例行事なんだよね。」
「いえいえ、お気になさらず。」
ピコン!
ん?朔弥からの、LINEだ。
『おっす!
遠征終わって学校ついたぁー笑笑
まぁ、ここからが本番だけどな!!!』
朔弥らしいLINEだった。
やけにビックリマークが多い。
何か、こういうの見ると安心する。
「ん?誰からのLINE?」
たずねてきたのは碧伊くんだった。
珍しく食いついてきたからびっくり。
「もしかして、彼氏さん?」
言われた瞬間、顔が熱くなった。
「あ、あの!」
「俺達だけの、秘密な?」
私は「はい」と元気よく返事をした。
『遠征、おつかれ!
大変だったでしょ?
でも、甲子園めざしてがんば!』
と、私は送り返した。