藍智と悠哉は寮に入っているからそのまま寮へ帰った。
俺は急いで、校門へ向かった。
「すまん、遅れた!」
待っているのは、祭吏。
最近、野球づくしであんまし話してねぇからな。
「今日さ、俺の家で飯、食ってかねぇ?」
「え?でも私の分、用意してあるの?」
「しなきゃ、さそわねぇよ。」
祭吏は監督に連絡して俺の家に向かった。
明日から、遠征だから今日の練習は短い。
まぁ、休養?とれって感じ。
「ん。」
俺が手を差し出すと、笑顔で手を握ってくる。
かわいい・・・。
なんで俺、こんなことにいちいち胸きゅんしてるんだろ。
「朔弥さ、クリーンナップ打つの?」
「わかんねぇ。でも、1年にクリーンナップ任せるほどあまくねぇだろ」
「だね。」
本心だけど、悔しい。
1年だからって嫌なんだよ。
俺、朝はずっと素振りしてるし。
努力は必ず報われるって言うじゃん。
俺は、それを信じてる。
「それでもクリーンナップ打つのが朔弥でしょ?」
「保証できねぇけどな」
笑いながらいってるから、本気には思えないだろうな。
もうすぐ、家につく。
母さんも父さんも姉ちゃんも楽しみに待ってくれてる。
また、祭吏が来るのを楽しみに待ってくれてる。
「ただいま!」
「お、お邪魔します。」
なんか、緊張してるっぽいな。
珍しい。
「おう!祭吏ちゃん!また来てくれたな!」
父さん 、テンション上がりすぎだっつの!
こっちが恥ずかしい。
「祭吏ちゃん、こっち座って。」
今日のメニューはカレー。
ビーフカレーっていってた気がするな。