サクラ咲ケ

朔弥は、目を合わせると私にキスをした。
「帰るか。」
「うん」
荷物を持って教室を出た。
朔弥、すごく優しい。
でも、朔弥らしくないっていうか、なんていうか。
「あのさ、心配なんだよ。お前のこと。」
「え?」
私を抱きしめながら言ってきた。
「元気、取り戻すの大変だよな。分かってる。
少しでも、元気になれる方法があったら言えよ?
俺、何でもするし。ぜってー、悲しませたりしねぇ。
ずっと、笑顔にさせてやるし。ぜってーな。」
朔弥・・・。
いつもと違ったのはこのせいか。
でも、どことなく嬉しい。
朔弥の少し口が悪いところが好き。
絶対をぜってー、って言ったり。
他にも〜しないを〜ねぇ、って言ったり。
すごくをすげぇ!って言ったり。
なんか、そういうの聞くと安心する。
でも、監督や先輩、先生とかにはちゃんと敬語。
すごくしっかりしてるなって思う。
「祭吏?」
「反則だし。4番バッターになったら、わらってやる。
正捕手になったら、笑ってやる。笑顔にしてみろ!」
少し上から目線だったかな?
でも、朔弥なら・・・。
「あったりまえ。4番バッター、正捕手どっちもなってやるし!」
張り合ってくると思った。
私達、恋人より、友達に近い感覚なんだよね。
だから、本音とかも言いやすいのかも。
これからも、一緒に笑い合えればいいな。