サクラ咲ケ

午後の授業も終わり、部活の時間。
朔弥、頑張ってるかな。
ベンチ入り決まったって言ってたな。
1年生でレギュラーはまだ早いか。
まだ仮入部期間なのに朔弥すごいな。
もしかしたら、甲子園までにレギュラーなれるかも。
今の正捕手の先輩が怪我とかして・・・。
そんなことないか。
とにかく、嬉しことばっかりだな。
今日の帰り、病院で朔弥にお父さん紹介しよう。
もしかしたら、最後になるかも。
そんなの嫌だ。
本当に泣きそうになってきた。


5:30。ちょうど仮入部中の1年生が下校する時刻。
朔弥に教室で待ってろ、と言われた。
なんでだろう。
今日は野球部の監督とお話したいのに。
監督は若くして甲子園優勝に導いた名将と呼ばれている。
父が優勝した時も監督をしていた。
その後も二度の甲子園優勝へ導いた。
監督とは小さい頃に一度会ってるみたいだけど覚えてない。
監督も私のこと覚えてないよね。
「祭吏、わりぃ遅くなって。」
「全然いいよ!」
「行くか?」
私達は野球部のグラウンドへ行く。
朔弥は練習着のまま。
「こんちわ!」
元気いい挨拶を監督にする。
朔弥、割とちゃんとしてる。