サクラ咲ケ

ここから1週間は野中先輩と会計の仕事をする。
ある程度覚えたら、野中先輩は園芸委員に異動。
それよりも、
「どうして、野中先輩は園芸委員に異動なんですか?」
せっかく2年生で会計してるのに。
すごくもったいない。
「1年生の頃、園芸委員だったの。
でも、新生徒会の人事異動で本部へ来たの。
中学の時も美化部長やってたから園芸委員のほうが良くて。
で、園芸委員の先輩が1人、転校することになって。
本部から2年が1人園芸委員に異動ってなかったから、
私が志願したの」
なるほど。
野中先輩にもちゃんとした考えがあったんだ。
「黒咲。」
私を呼んだのは櫻井会長。
「毎週水曜日、各委員会の委員長とともに定例会がある。
会計は出席しなければならない。
野中と一緒に出席しろ、いいな?」
「はい」
「あと、基本的に放課後仕事するのは、何か行事がある時だけだ。
その代わり、昼休みはないけどな」
笑いながら言われた。
野中先輩から詳しく仕事を教わっていると昼休みは終わってしまった。
「残りの仕事は明日の昼休みね。祭吏ちゃん。」
「はい」
野中先輩に『祭吏』って呼ばれて嬉しかった。
なんか、仲間になったみたいで。
私は生徒会室を出た。
「黒咲。」
「はい?」
呼んだのはやはり、会長だった。
「頑張れよ。祭吏。」
「え?」
「本部役員と各委員会の委員長は呼び捨てで呼ぶようにしてるんだよ。」
なるほど。
それで仲間意識がたかまるのかな。
「失礼します」
そういって会長の前からたちさった。