サクラ咲ケ

その年のU18の世界大会のメンバーに父は選出された。
その後ドラフト会議。
注目されていた父はプロからスカウトが来ていた。
でも、父は大学へ進学。
その後もプロに入ることはなかった。


就職し、サラリーマンとなった。
その年の春、春の選抜で優勝した時に行った祭りへ行った。
父はこの日プロポーズをした。
母は快く『こちらこそ』と返した。
こうして、父は母と結婚した。
25歳の時、私を妊娠した。
予定日までは特に異常はなかった。
予定日。
急に母体の状況が悪化。
母が父に残した言葉は、
『私より、この子を優先して。守って。』
この言葉が母の最後の言葉だった。
父は母の願いどうり私を優先してくれた。
母は私を生むために命を犠牲にしてくれた。
この時つけた名前が『祭吏』
父と母の関係はあの祭りから始まったこと。
母の名前の吏沙子の「吏」をつけ、母の意志を受け継つぐこと。
こんな願いが込められて『祭吏』とつけられた。
私は今、母からの命のバトンを繋いで生きている。