家に帰り、学校への報告も終えた。
『なぁ、優勝祝に、近くの祭りいかねぇ?』
キャプテンの一言。
桜葉高校の野球部全員で近くの祭りに行くことになった。
今日は1日部活は休み。
でも、もうすぐ春休みは終わってしまう!!!
宿題が終わらなーい!!!
みんな考えていることはだいたい同じ。
マネージャー達は苦笑い。
3年生のマネージャーはいない。
母達の学年しかマネージャーはいない。
新入生が入ってきたらあと2人、マネージャーに誘うつもりだ。
春祭はここの名物。
『春祭で一緒に花火を見た男女は永遠に結ばれる』
なんてジンクスもあるくらいだ。
『ここで、告白するしかねぇ!』
父はそう思ったようだ。
桜葉野球部は人数が多いので何グループかに別れて行動した。
運良く、母とは同じグループになれた。
先輩に母と2人きりになれるように頼んだ。
先輩達は父と母を2人きりにした。
『ずっと、町谷のこと見てた。俺と付き合って。』
町谷とは母の旧姓。
すごく直球だけどそれが母の心に響いたよう。
『いつからか、誠くんのことばっかり見てたよ。
また、甲子園でホームラン打ってね』
パァン!
花火の音だ。
2人は笑いあった。
『このジンクス知ってた?』
母が父に聞くと「まぁ、噂では」と返した。
こうして2人は恋人同士になったのだ。