その年の甲子園。
桜葉高校はみごと甲子園出場をすることができた。
初戦はまさかの開幕試合。
開会式からの緊張か、母が好きなピッチャーは不調だった。
9回裏3点差で桜葉高校は負けていた。
『バッター代わりまして、キャッチャー、黒咲くん』
甲子園球場内にウグイス嬢の声が響き渡る。
その時は、2死満塁。
ピンチであり、チャンスだった。
普通、こんな大事な場面を1年には任せない。
でも、父に任せた理由はただひとつだった。
野球にかける思い。
もちろん、打率が高かったから父を選んだというのもある。
バッターボックスに入った父。
相手ピッチャーが投げた初球をとらえたがファウル。
続いて2球目を捉えることができた。
父が打ったボールはライトスタンドへ一直線。
そう、1年のピンチヒッターが打ったのは満塁ホームラン。
信じられなかった。
それは母の胸に大きな衝撃を与えた。
桜葉高校はそのままサヨナラ勝ちした。
その年の甲子園はベスト8に終わった。
3年生はここで引退。
母はあのピッチャーに告白しようと考えていたらしい。
でも、もう一人の3年生のマネージャーがその人に告白したらしい。
その二人は付き合うことになった。
『マネージャー、甲子園ではサポートありがとう。』
母にそう言ったらしい。
すごく遠回しだけど、父からの精一杯の感謝の気持ちだった。
『くろさ・・・、誠くん!来年も甲子園つれてって!』
この一言だけだけど、父は母のことを更に好きになった。
桜葉高校はみごと甲子園出場をすることができた。
初戦はまさかの開幕試合。
開会式からの緊張か、母が好きなピッチャーは不調だった。
9回裏3点差で桜葉高校は負けていた。
『バッター代わりまして、キャッチャー、黒咲くん』
甲子園球場内にウグイス嬢の声が響き渡る。
その時は、2死満塁。
ピンチであり、チャンスだった。
普通、こんな大事な場面を1年には任せない。
でも、父に任せた理由はただひとつだった。
野球にかける思い。
もちろん、打率が高かったから父を選んだというのもある。
バッターボックスに入った父。
相手ピッチャーが投げた初球をとらえたがファウル。
続いて2球目を捉えることができた。
父が打ったボールはライトスタンドへ一直線。
そう、1年のピンチヒッターが打ったのは満塁ホームラン。
信じられなかった。
それは母の胸に大きな衝撃を与えた。
桜葉高校はそのままサヨナラ勝ちした。
その年の甲子園はベスト8に終わった。
3年生はここで引退。
母はあのピッチャーに告白しようと考えていたらしい。
でも、もう一人の3年生のマネージャーがその人に告白したらしい。
その二人は付き合うことになった。
『マネージャー、甲子園ではサポートありがとう。』
母にそう言ったらしい。
すごく遠回しだけど、父からの精一杯の感謝の気持ちだった。
『くろさ・・・、誠くん!来年も甲子園つれてって!』
この一言だけだけど、父は母のことを更に好きになった。

