「祭吏、辛かったな。
これからは、俺がいるから。」
朔弥・・・。
朔弥のことお父さんに紹介しようと思ってた矢先に。
「明日、学校来れる?」
「わからない。
今日は入院の手続きとかしてていけなかったけど。」
朔弥の制服はわたしの涙で濡れてしまった。
でも、それでも、涙が止まらない。
大切な人が生死をさまよってる。
そんなこと考えただけで辛い。
「お前の気持ちの整理がつくまで俺はここにいる。」
ありがとう。
ここまでしてくれるのは朔弥だけだよ。
「夕飯作る。キッチン借りるな。
今日、ここに泊まってもいい?」
「いいよ。」
帰らないでほしい。
今は少しでも朔弥にそばにいてほしい。
私の心にぽっかり穴があいてしまったようだ。
学校、いけない。
こんな顔じゃ、こんな気持ちじゃ、みんなに会えない。
美羽、鞠亜、華耶、本当はみんなに会いたいよ。
「祭吏、生姜焼きでいい?」
「うん」
生姜焼きか、昨日作ろうと思った。
これからもう、お父さんにご飯作ることないのかな。
今日、木曜日か。
とりあえず、学校はいってみようかな。