サクラ咲ケ

揺れる電車。
帰宅ラッシュで電車は超満員。
朔弥は私を帰宅するおじ様方から守ってくれる。
私が電車の扉に寄りかかり、朔弥が壁ドンしている形だ。
かなりの重圧なのに、すごい・・・。
「あ、ありがと。」
「ん?何が?」
「あ、いや、その・・・」
きっと野球部の練習のほうがきつくて辛いんだろうな。
がんばれ!未来の甲子園出場ナイン!
キャッチャーが一番カッコいいよ。
桜葉のキャッチャーは朔弥じゃなきゃダメ。
だから、練習頑張ってね!
「次だな。」
「そうっすね!」
私の男っぽい口調は前から変わらない。
朔弥の前ではって思うけど。
朔弥の前だからこそ素の自分が出ちゃって男っぽい口調になる。
静かに電車のドアが開く。
私達は電車から降りた。
改札を通ったあと朔弥が手を握ってきた。
「少しぐらい、いいだろ?」
「特別だからね!」
私達は微笑みあった。
ずっとこのままでいたい。
「そういえば、母さんがまた家においでって言ってた。
朔羅もまた、話したいって言ってたし。
俺も、たまには、俺達しかいないとこで話してぇじゃん?」
「そうだね。」
これから私達は支えあっていきたいな。
あ、よく見ると左手テーピングしてる。
「手、大丈夫?」
「あぁ、これ?
いきなり練習したから、少し痛めただけ。心配した?」
「当たり前じゃん」
「なら、嬉しい・・・」
ほんとに大丈夫かな。
もしかして、私にとって心配させたくなくてとか?
え?
でも、もしそうだとしたら・・・。
「何考えてんだよ。ほんとに大丈夫だし。」
「え?」
何で考えてることわかったんだろう。
「お前のことなら何でも分かるし。」
なんでだろう。
そう言われるとなんだか安心する。