「甲子園は、夢じゃない!」
「え?」
朔弥、いきなりどうしたんだろう。
甲子園といえば、朔弥が目指してる場所。
「主将さんが言ってた。」
「そうなんだ。」
「桜葉は夢じゃなくて、現実にできるって。
最高のメンバーがいるって。
ベンチで構えていようとスタンドで応援だろうと仲間だって。
これから、辛い練習が多いと思うけど、それも夢を現実にするためだって。
だから、全員で頑張って行こうって、主将さんが言ってくれた。
すっげぇ、嬉しくてさぁ。
あの言葉、心に刺さったぜ。」
笑いながら楽しそうに話してくれた。
私も、そんなこと言われてみたい。
「祭吏、俺のどこがすき?」
え?
顔が熱い。
顔が真っ赤なのが自分でもわかる。
「ど、どこって、わかんないや。」
「えー、なんで・・・」
残念にいう。
えー、って言われてもな。
わかんないものはわかんないんだから、仕方ないでしょ!
「いつの間にか、朔弥を目で追うようになってたから。
つまり、いつの間にか朔弥に惹かれてたってこと。」
「いつの間にって。まぁ、俺もかな。」
笑いながら言う。
朔弥は中学時代に大親友がいた。
その友情に惚れたってとこもあるかなぁ。
「祭吏ぃ。」
「ん?」
「ずっと、俺のそばにいて?
俺、お前なしには幸せになれねぇよ。」
珍しく朔弥がテレてる。
可愛すぎる!!!!
「おれ、いつの間に祭吏色に染まったんだろ。」
「そんなの、私もだっつの。私も朔弥一色。」
結局、私達の気持ちはつうじあってるんだ。
すっごい嬉しい。