「で、なんで黒咲(?)なんだよ。」
冬馬先輩が言った。
確かに私を選んだ理由はわからない。
「あいつの入試の成績は、
『特色選抜試験第一位』なんだ」
え?
絶対、嘘だ。
でも、会長なら入試の成績を知っていてもおかしくない。
それに、なんで私の好きな名言知ってたの?
「特色で一位はすげぇな。」
冬馬先輩。
そんなことないっす!
ただ、全力で問題を解いただけだもん!
「だから、特色選抜試験第一位という頭の良さにかける。
絶対にあいつは容量がいい。
テスト、後半はほとんど別のことしてたって
黒咲の試験監督がいってた。」
「ってことは、そんなに早くテストを解いたの?」
副会長が驚いたように言った。
「そういうことだな」
いつも、テストは20分くらいでおわる。
それに、私の成績ではもっとレベルの高い学校へいけた。
担任にも、なぜ桜葉なのかと聞かれたくらいだ。
そんなの決まってる。
私がこの学校へ来た理由は、父がこの学校の卒業生だったから。
私はお父さんに憧れている。
私のお父さんは理想のお父さんだ。
てか、ヤバイこと聞いちゃった。
教室、戻ろう。
私は階段を降りた。