家に入ると、お父さんはまだ帰ってきていなかった。
キッチンに立ち、オムライスを作っている。
ガチャ
「祭吏、帰ってたのか」
「うん、これ食べて。私、このまま風呂入って寝るから」
いつの間にか日付がかわっていた。
最後に「おやすみ」といってお風呂に入った。
「明日から本格的に高校生か。」
明日から授業が始まる。
といってもほとんどがオリエンテーション。
部活動の仮入部や生徒会一年役員の招集などがここ一週間で行われる。

『どんな芸術家でも最初は素人だった。
「ラルフ・ワルド・エマーソン」』

どんな人でも始めた時から完璧な人はいない。
だから、少しずつ高校生になりたい。
今は朔弥を支えることができなくても、少しずつ支えられるようになりたい。
ずっと、このままでいられるように。

『ずっと、このまま仲良くしていたい』

私達の小さな願いは叶うのでしょうか。