ーーーせちかsideーーー 花村くんのいなくなった教室で、 私は大声で泣いた。 たぶん花村くんに会ったあの日から 私はずっと好きだった。 でも花村くんには好きな人がいて、 それが実杏だと直接聞いて、 その時初めて私は自分の気持ちに気がついた。 『好きな人の…………幸せを………… 願えるほど出来た人間じゃないのに…』 私の心の叫びは 小さな声として…もれるだけだった。