そばにあるもの



はぁ、はぁ、はぁ………。

走り回ってみたものの…

廉くんは見当たらない。


どこにいるなんて知るわけなくて

ただただ校内を走り回った。


諦めかけていると…

立ち入り禁止の屋上に行く階段のところに、人影があった。

あれって………。



何となく近づいてみた。


『やっぱり……』


廉くんが寝ていた。


「ん…だれ………」


『あ、ごめん、起こしちゃった?』


驚いた顔をして目を見開く廉くん。


「実杏…何でここにいんの?」


『話たいことがあって…』


私はテンパっちゃって、何を話していいのかわからなくなった。


「とりあえず…ここ座って?ゆっくりでいいから」


いつものツンツンはなくて、優しすぎる君の声に温もり。


あ、、、あの男の子に似てるよ………。