「これ、リンチされちゃうんじゃねぇの」
凛が珍しく真面目。

「そうかもな」

「どうしよう、行った方がいいのかな」

「ダメだろ」

「いや、むしろ行っちゃった方が片付くんじゃねぇ?」

凛が軽く提案した。

「確かに、こいつが全ての犯人だとすれば、そうともいえる」

彼方は少し不安そうだ。
相手は一つ上の男子、バスケ部だ。
不安になるのも当然…


「俺たちもついてって撃退しちゃう?」

凛はいつも通りニヤニヤしている。
だが目つきは本気だ。


「お前怖えよ…」

だが、確かにこっちが2人なら…いや、相手が多数なら…

「あーもう行こうよ春樹!
どうせ行かなかったらまたいじめられるんだしぃ」

「…しゃーねぇ、そうすっか」

あれこれ考えても仕方ない、実際話をするのは彼方だ。

「お…お願いします」

たまに貞子が顔をだす彼方。
髪はきっても、彼方は彼方だ。