「松美!ちょいきて」
「う…うん」
地味な女子を人気者が呼び出し、教室がざわめく。
「何〜春樹浮気〜!?」
ケバい女子グループから嫉妬の声が溢れる。
「誰もお前と付き合ってねーわ!」
「あれ、凛君も一緒じゃない??」
「ってもうどっかいっちゃったじゃん!」
「なんか仲良いよねあの3人」
「お友達で済めば良いけど!」
「やだ、松美さんがそんなの興味あるわけ…」
ハッとしたように、グループの視線が佐々木涼太に集中する。
「って、あの人と関係あるじゃん!」
「なんで〜!?なんなの松美彼方〜〜!?」
「かっこいい、佐々木君」
佐々木涼太は紳士な文系男子。
そんなイメージが確立されていた。
「松美さんて別に可愛いくもないよねー」
「そうそ、むしろ貞子じゃん?」
高笑いが下品に教室を満たす。