「陵のせいで また遅刻ギリギリだよ」



あたしは 陵の肩にパンチする。



「うるせぇな…」



そう言って
陵はムスッとしたような顔をする。



「つか、先行っていいって言ってんだろ?」



「何バカなこと言ってんの?
あたしが起こさなきゃ
誰が陵のこと起こすのよー」



陵のお母さんは
出張が多くて滅多に家にいない。



だから 陵を起こすのは
あたしの役目だ。



陵のお母さんにも頼まれてるしね。