不器用恋愛






「ごめん…俺……
唯織ちゃんとは…付き合えない……」




「うん…分かってるよ!
ありがと。ちゃんと振ってくれて!

ほらほら!
さっきの女の子待たせてるんでしょ?

ごめんね!長話して!
早く行って!ねっ?」



精一杯の笑顔で利仁くんの背中を押す。



「唯織ちゃん…1人じゃ危な……っ」



「大丈夫!大丈夫だから…っ
お願いだから……早く行ってあげて…」



涙を堪えるのも限界で
あたしは俯きながら 利仁くんの背中を押す。



「……分かった…」



そう言って ゆっくり走り出す利仁くん。



利仁くんが見えなくなったと同時に
あたしは 地面に崩れ落ちた。