それからあたしたちに会話は無かった。 ただただ波の音を聞き 眼を瞑って 互いに手を握りあった あたしはなんでこんな男とこんなことしているんだろう…。 そう思ったけど、別にどうでも良いような気がした。 気付けばもう太陽はとっくに沈んでしまって、 あたしが、帰るというと、 幸治はあたしの耳元で 「また明日、ここで。」 と囁いた。 幸いあたりは真っ暗で あたしが頬を赤く染めてしまったことは 幸治にはばれなかった。