あたしが男の所に着くと、 そいつはちらとあたしを見て にやっと笑った。 「うっそー、溺れてません。ていうかここ足つくじゃん。」 は…? あたしはすごく間抜けな顔をしていたと思う。 「俺、幸治。お前は?」 「は…?あ、あすか。」 「そっか。あすか、よろしく。」 いきなり名前を聞かれて 訳も分からず返事を返すと、 そいつ――幸治はあたしの手を掴み 真っ蒼な海に引き込んだ。