図書館を出たら原田さんが言った。


「大丈夫なの?」


多分、麻衣の事だろうとは思っていた。


麻衣は、友達になったばかりで…。


そういえば俺。

あいつの事、全然知らないんだ。


今日、始めて受験生だって知ったんだよな。

これって、友達っていうのか?


「知り合いというか?友達なんです!アハハ。」

原田さん!

お願いだから、心臓もたないって!


「余計かもしれないけど。」


原田さんは、お腹を触りながら言った。


「彼女、木下さんの事。好きだと思う…。」


はい?

麻衣が…俺を


「まさか!」


首に手を当てながら、来た道の景色を見ていた。


「ごめんなさい。女の勘てやつ。気にしないでね。」

「いや!大丈夫ですよ。」

作り笑いを必死でする。


原田さん。


あなたから、そんな事言われると淋しいんだ。


マジで…今の俺には無理。

来た道を戻る。


横にいる俺の好きな人。


現実に戻される。


好きになってはいけない人。