…案内だって!…


はにかむ俺。


ダッシュで支度をして…。
携帯電話を持って。


ほんのちょっぴり緊張しながら、俺は原田さんの部屋ではなくて…。


原田さんの居る方の白い壁に、向かって。


『コンコン♪♪』


ノックした。

気付くかな?
ちょっぴり…意地悪してみたくなった俺。


壁に耳を当てて…ちょっとドキドキする。


そして…。

びっくりする顔。

想像したりする。

また、さっきみたく焦った顔してるのかな?


『トン♪トトン♪』


…?!…


マジー!


返事してきたじゃん。


俺の合図気付いたんじゃん!


そして。


今度はちゃんと、外に出て原田さんの部屋の玄関チャイムを押した。



汗ばんでいる指先。


何だか、嬉しいんだ。


そして、こんな自分も

悪くねぇかも!って、思ったんだ。