敦side

ベランダに出ると、月明かりを真っ直ぐ見ている原田さんがいた。

原田さんの目から、光るものはなかった。

泣きたければ、泣いて構わないのに。

罪悪感だけ残った。


心臓が飛び出る位、緊張してる。

狭いベランダの端と端で久々の再会。


「……大丈夫ですか?」


「ごめんなさい…近所迷惑だよね…」


聞かなきゃいけない事と。

言わないと間がもたない事だけが、頭にばっかあって。


情けないと感じた。