後になって、顔中が熱くなるのも感じた。 好きな人が泣いていた…。 無意識に体が動く俺。 かなりの重症。 耳が心臓のように、敏感で次の反応を心なしか、待っていた。 ─────── ──────── 「あ、つし君?」 真夜中に、か細く響いた原田さんの声。 俺は真っ先にベランダに向かっていた。 .