「亮はどう思う?」


原田さんの姿。


そして、麻衣の言葉を。


亮に聞いてもらった。


俺が実家で過ごしていた間に、原田さんと麻衣に何かあったんだ。


「2人して、そんな顔されたら、たまんないよなぁ…?」


「あぁ…」


今日の客は妙に空いていた。


「だけど…敦は原田さんに会うんだろ?」


「……まぁ。」


フッと笑った亮は


「なんだ、その間は?自信ないか?」


「自信なんて鼻からないよ!」

「だよな?相手のお腹の中には命が宿ってるしな!」


「……………。」


「とりあえず、麻衣は俺に任せて?
彼女にそれとなく聞いてみるから!」


俺の肩をトンっと叩きながら


「…泣くなよ?」


「知るかよ…」


そう言って、亮はバイトを後にした。


さり気ない優しさが…嬉しく思った。


『原田さんに会いたい!』


そんな気持ちが溢れて止まなかった。


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