「〜♪〜♪〜♪」
長い沈黙を遮ったのは、俺の携帯。
ポケットから取り出すと、亮からだった。
「……バックレるのか?」
やっべえ〜!!
時計を見ると、丁度7時。
「いま着いたから…。」
麻衣は、下を向いたまま。
何も話さない。
「バイトだから!」
そう言うと麻衣は
「原田さんとは、図書館で偶然会ったの…それだけだから!」
手を振って背を向けた。
じゃあさぁ…。
なんで泣く訳?
どうして、部屋に閉じこもっていたの?
聞けないまま…。
俺は、急いでバイトに入った。
心は、満たされないまま。
かさぶた、みたいに張り付いていて。
傷口は深そうだ。
.

