アパートの前で緊張する俺がいた。


亮と話をしてたら、深夜になっていた。


この町も、秋に変わって色とりどりの紅葉が胸をホッとさせる。


ちらっと、原田さんの部屋を見る。


体調はどうなんだろう。


灯りはとっくに消えている。


ここを出る時には、ただのご近所さんと、言い聞かせた俺。


やっぱり、胸にしまったままではいかなくて…。


アパートの階段が、やけに重たく感じるし、緊張してる俺もいた。


玄関に来ると、思い出す。


原田さんが作ってくれた、おかず。


毎日、出来上がったもんしか、食べてなかったから…凄い嬉しかった。



あの頃が、懐かしいと思う俺。


原田さんに会いたい。



今は、それしか頭になかった。