「もうすぐ閉まっちゃうよ?」

麻衣が、
心配そうな顔で言った。


どれだけの時間…俺はベンチに座ってたんだろう。


勉強しなきゃいけないのに。


「もう、大丈夫だよ!悪いなっ。」


夕方になる準備が、生暖かい風で伝わった。


「ねぇ…?」


麻衣がまた、俺の横に座ってきた。


「何だよ!」


「一緒に帰ろう…?」


麻衣の顔が、赤くなるのが分かった。


昨日の原田さんの言葉が、横切った。


『彼女、木下さんの事。好きだと思う…。』


それが、本当なら?


友達って、意味ないかもしれないじゃん。


俺…。


どうしたらいいんだ!