俺のところに来た女の子を口実に
逃げようと思った。

『じゃあ、この子先でいい?』
「何で?やだ!」
「じゃあ、もう、ここでいい!!」

は?ちょ、ここで俺フられんの?

「櫂!!好き!!!」

は?好き?萌華が?
俺フられんじゃないの?

「あたし、いつも櫂が一緒にいて、
隣歩いてて、それがあたり前になってて、でもやっと分かったの!
櫂があたしじゃない人の隣歩くなんて
考えられない、すごく嫌っ!!
それに気づけなくて、櫂のこと傷つけた。でも、さっきの!!嬉しかった!!
一生愛してくれるって!
あたしも一生櫂のこと愛すから、他の子のところなんて行かないで…」

そう言って萌華は綺麗な涙を流した。

なんだよ、そんな顔すんなよ。
俺以外に見せてんじゃねーよ…

『……』
「…櫂?」