「咲坂蘭さん、ですね」 「あっ、はい」 「お待ちしておりましたよ」 スーツ姿の男性はふわりと笑った。 「私は涼宮圭(すずみやけい)と申します。理事長の秘書をさせて頂いております」 「さ、咲坂蘭です。宜しくお願いします」 「そんなに硬くならなくても大丈夫ですよ」 「さっ、行きましょう」と言ってあたしを中へと案内してくれた涼宮さん。 涼宮さん…。物凄くいい人だなぁ…。 「ここが理事長室です」