「ワンちゃん」 鴻上くんはあたしを見て柔らかな笑顔を浮かべた。 「鴻上くん…どうしてここに?」 「沙紀ちゃん、だっけ。ワンちゃんのお友達が教えてくれたんだ」 そっか、沙紀が…。 心配して鴻上くんに伝えてくれたんだ。 「まったく、電話出てくれないから探しちゃったよ」 はあ、とわざとらしくため息をつきながら鴻上くんはあたしを後ろからふわりと抱き締めた。 「…それで?電話に出なかったのはそこにいる子たちのせいなのかな?」