「ワンちゃん」 鴻上くんの声が聞こえてくる。 ここで返事をしようものなら、また同じことになる気がする。 ここはぐっと我慢だ。 「ワンちゃんってば………はぁ」 あきれられちゃったかな? もしかして置いてかれちゃったりするのかな? どうしよう。 もう返事しちゃう? 迷っていると、「しかたないな」というつぶやきと共にふわりと後ろから抱きしめられた。