「だから、いるかって聞いてんだけど」
へ…?
え、なに、妄想が現実になったの?
それとも、まだ 妄想の世界にいるんでしょうか、あたし。
目の前には鴻上くんの飲みかけの紅茶。
鴻上くんが軽く振ればチャポンと音がする。
ー現実だ…
ええええええっ!?
なんで?なんで?
もしかしてあたし、妄想が声に出てた??
飲むって、鴻上くんの紅茶を?
つまり、鴻上くんの唇がついたものを?
それをあたしの唇に…っ!?
つい形のよい鴻上くんの唇を凝視してしまう。
男の子ながら艶のあるキレイな唇。
触れたらきっと柔らかな感触なんだろうな…。
「唇ってマシュマロみたいなんだよ」って誰か言ってた気がする。
いやいや、落ち着け、あたし。
あたしが唇に触れるのは鴻上くんの紅茶であって!!
つまり、缶であって!!
唇じゃないの!!
一気に顔に熱が集まるのを感じてあたしは思わず顔を伏せた。
うう。
やっぱりダメだ、あたし。
間接とはいえ鴻上くんとキス…なんて、ムリムリ!!


