「パシッ、パシッ、パシン・・・」
大きな音がするたびに頬に痛みが増す。同じ部屋、同じ場所、同じ・・・風景と痛み。
(あぁ・・・またか)そう思った。
今日僕は彼女が怒るようなことをしたのだろうか。
ただ彼女は・・・紅乃葉はいつも罵声を言いながら殴る。
そして最後に
「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、私また・・・。」
「でも貴方がクラスの女の子と話しているから!」
そう言って泣き崩れる。
あぁ・・・そうか今日はクラスの子と話しているのがまずかったのか・・・。
毎日のように繰り返されるこの光景はもはや日課だろうか・・・
しかし隣で泣いているこの子を見ればわざとでわない事が一目瞭然だ。
これは彼女なりの愛情表現なのだ。彼女の愛情はそれこそ痛いほどよく分かる。
だからこそ僕はその歪んだ愛情を受け止めていたい。
僕がどうなろうと僕は・・・君を、紅乃葉を・・・
愛し続けよう・・・