そんなことを考えてると、授業終わりまであと20分。

もう一度、後ろを振り向いて安藤を見る。

まだ寝てる……。

規則正しい寝息を聞く限り、きっと深い深い夢にいるんだろうな。


安藤の長いまつげが日に当たって、頬にその影が映る。それがとっても幻想的だった。

思わずそのまつ毛を引っこ抜きたくなった。まつ毛があまり長くない私にとってはただの嫉妬でしかなかった。

「安藤…」

ぼそっと呟く。特に意味もなく。


「………んぅ〜?」

まさかの安藤は起きてた。

むくっと起き上がって寝ぼけた目で私を見る。

「なんだよ二宮」


「なんでもない」


そのほっぺ、アホだね。って言いたかっただけ。