「寝ぼけんのか?めっちゃウトウトしてっけど」

「そういう安藤もだいぶ眠そうだね」

「あの先生の声が悪い」


安藤はトロンとした目を袖でこする。
それでも眠いみたいで、二重のまぶたが重い。


窓際の席だから日当たりが良くて妙にぽかぽかしている。それがまた眠気を誘う。

光が当たって安藤のピアスがキラリと光った。私が安藤の16歳の誕生日プレゼントで安藤に強制的に買わされたもの。
それを安藤は満足げにいつもつけている。


安藤とは小学校からの幼馴染だ。
とは言っても、少女漫画でよくあるような、家が隣同士とか、親同士が仲良いとか、そういうことではなかった。

なんとなく話してて、なんとなく安藤といるのか楽しかっただけだ。

気づけば高校まで一緒になってた。


安藤と私はよく似てる。

ひとりでいるのが苦じゃないタイプ。
一匹狼な気質があるけど、別に友達はいる。

そして何よりも、

私たちは幼馴染という関係を特別には思ってない。