月が丘にいくのはいつも夕方とか夜で、日中はいつも学校だ。

そんな今は古典の授業。

退屈で退屈で仕方ない。
若い女の先生の声が、私を眠たくする。教科書を読むその声は子守唄でしかない。



学校なんていつも面倒くさい。


友達なんて上辺だけの関係で、先生も信頼してない。

私を心配するくせして、ほんとうは自分が一番可愛いって思ってる。

それは私もそうだ。

自分が一番心配で一番可愛い。


でも、それでも信頼できるのは…


「おい二宮」


私の名を呼んでる幼馴染


「なによ安藤」


後ろの席の安藤 翼。