『布由が…まちがえて、階、まちがえて、その……』 なんでか緊張した。 それよりも目の前に映る深桜は なんなのか、 理解が追いつかない。 「ああ、岩崎くんね」 深桜は読んでいた本を閉じて ベッドの脇に置いた。 「ちょくちょく病院で迷ってるの見かけたから まさかと思ったんだけど……」 笑みを浮かべた深桜に 俺はどう答えればいいのかわからなかった。