そうちゃんが話したくないって言うのも、怒るのも、全部私のせいだ。

「…いや、ぜんぜん。」

そうちゃんは、1度深く呼吸をしてから言う。

「本当は、9年前までの事とかちゃんと覚えてて、だから、俺も竹井に会うの楽しみにしてた。」

その言葉に私は目を見開く。

「だけど、竹井に会うまでの9年の間に、色々あって…」

少し、そうちゃんの声色が暗くなる。

「その色々は、どうして知らないふりをしたのか、の答えになるの?」

私はできるだけ落ち着いて、そうちゃんに問いかけた。

「…うん。
その事、ちゃんと話さなきゃいけねーと思って…」

私はその瞬間、そうちゃんが覚悟を決めるような表情をしたのを見逃さなかった。

ドキリと胸が脈打つ。

そうちゃんがゆっくりと口を開いた。

「中学生の時-------------」