羽奈ちゃんが窓のサッシに手をかけぶらぶらとさせながら、
「でも、不思議だよね、昔はもっと仲良かったんでしょ?」
と私に聞く。
それはたしかに私も思う。
本当に、家族みたいだったから。
いつも一緒に手をつないで、いろんなところに行ったなぁ…
家族ぐるみの仲だったから、遊園地とか夏まつりにも行ったし…
「うん、すごく仲良かったよ。
そうちゃん、お兄ちゃんみたいだったし。」
「陽依、私と話す時は "そうちゃん" なのに、
柴崎と話すときは "柴崎くん"だよね。
やっぱり距離感じるんだ。」
「…うん。
私のこと覚えてるかもわからないから…」
羽奈ちゃんは ふーん…といいながら、
そうちゃんの方を見た。