「航希、チャイムなる。」

樋口くんの少し後ろから、そうちゃんの声がする。

「あー、おう、お前も感謝しろよ!
竹井と…俺にも!」

ちょっとふざけて樋口くんが言うけど、そうちゃんは無視をして席に着いた。

「っおい!…わりぃな、竹井。
愛想なくて…」

「っぜんぜん!
お礼なら、昨日言ってもらったし…!」

「あー、そうなの?昨日、話したんだ?」

ちょっとびっくりしながら樋口くんが言う。

「うん、少しだけね。」

「へぇ、よく話せたな…あ、幼なじみなんだっけ?」

あ、そういえば、昨日そんな話をちょこっとしたっけ。

「うん…あいかわらず、覚えてなさそうだったけど…」

「あー、まじか。
あ、俺、探り入れてみようか?」

樋口くんは、いたずらっぽく笑った。