「こないだ雨に濡れて帰ったら見事に風邪引いてさ、でも、大分良くなった。」
その言葉にわたしは安心する。
「え…でも、傘とか持ってなかったの?」
…なんだか、誘導尋問みたいだ……
「折りたたみあったんだけど、貸しちゃった………っ!」
そうちゃんは、私の誘導尋問に見事にひっかかったようで、一瞬 あ!という顔をした。
やっぱりこの傘は…
「あの……もしかして、この傘柴崎くんの?」
そう言って、わたしはカバンから黒の折りたたみ傘をだした。
「えっ…あー…おう…」
そうちゃんは俯いてしまった。
でも、心なしか顔が赤くみえた。
