…あっ、お姫様が出てきた!
綺麗だなぁ〜…
『お姫様は、お城の敷地の外へ
出たことがありませんでした。
そう、王様とお妃様は、
お姫様を愛するあまり、
外に出すことで危険に晒す事が
恐かったのです。
お姫様は、16歳になりました。
とても美しく、優しく、
好奇心旺盛な女の子へと成長したお姫様は、
もうそろそろ、
素敵な王子様を見つけなければいけない年です。
そんなお姫様は、
まだ外の世界を知りませんでした。』
言い終わると、舞台が暗くなり、
お姫様にスポットライトが当たった。
「あーあ、つまんない!!!
お城の中でできることは、
もうやり尽くしたわ。
……はやく、お城の外へ出てみたいわ。
お城の外には、いろんな街がある。
知らない人がたっくさんいる。
海だってあるわ。
…今はまだ、絵しか見たことないけれど。」
お姫様はカーペット床に寝転んで、
足をぷらぷらさせている。
なんか、親近感湧くなぁ…
かわいい!
「…それに、王子様だって…」
『お姫様は、
知らないものに人一倍興味がありました。
ずーっとお城の中で過ごしてきたお姫様は、
危険なもの、怖いものをしらなかったからです。
お姫様の頭の中には、
キラキラとした素敵な想像が、
いつも膨らんでいました。
ーーーそんなある日のことです。』
