ひよこ。

劇が始まるまでにまだ時間があったから、

他愛もない会話をして時間をつぶした。

話す時に、

ぼーっとしてる伏し目がちな感じが好き。

説明する時にちょっと動く長い指も、

口癖の「あー…」って声も、

笑った時に細まる目も。

ちらちらと合う視線は、

やっぱり私の胸をきゅーっと締めつける。

そうちゃんの話を聞いているうちにわかったのは、

従姉妹が女の人だってこと。

勝手に男の人だと思ってた。

なんとなく、イメージでね?

これがまた面白い人で、

小さい頃からのすごいエピソードが尽きなかった。

木登りのスピードがものすごい速くて

サル並みだとか、

料理が苦手で、

材料すべてをある意味大変身させちゃうとか、

けっこう武勇伝が満載。

話を盛ってるんじゃないかと聞いたら、

全部事実だっていうんだからすごい。

そうちゃん越しに聞く私も

涙が出るほど笑ってしまった。

だけどそれと同時に、

そうちゃんが自分以外の女の人の話を

あまりにも楽しそうにするから、

ちょっとさみしくなった。

だって、従姉妹と幼馴染みって、

見ようによってはいい勝負、っていうか…

いや、なんの勝負だよって話なんだけど、

一緒にいた合計時間は五分五分なんじゃないかなぁって。

まぁ、そうちゃんが従姉妹さんと

どれくらいの頻度で会ってたかなんて知らないけど…

でも、そうちゃんの話からすると

月に1回は会ってたみたい。

だけど、私にはそんな面白い話はないし、

9年間も会えなかったし、

色々と負けてるなぁ、って。

少なからず他の友達よりかは

一緒にいれてる自信があったから、

自分だけじゃないんだ、

っていうのを感じさせられて

ちょっとショックというか。