あ〜〜〜

もっとリサーチしておくべきだったな。

好きな人であり幼馴染みなのに、

そんなことも知らないなんて、

自分が情けない。

ほんっと、つくづく自分はチキンだなぁ、

と思い知らされるね。

9年の穴を埋めるのは、なかなかむずかしい。

ん〜、やっぱり、

そうちゃんも大人な感じだから、

大人っぽい人の方が好きなのかな…?

でも、そんな感じの服持ってないし…

そもそも童顔の私には、

残念ながら大人っぽい服装なんて似合わない。

…ていうか、

勝手にこんな意識して張り切ってるけど、

そうちゃんはこれがデートだなんて思ってないんじゃ…???

うっそなにそれ、恥ずかし…

そういえば、そうちゃんさらっと

『2人で行く?』なんて言ってたし、

ぜんっぜん意識されてないって事だよね…

…だったら尚更、意識してほしいところだけど…

でもまぁほら、

某雪の女王も歌ってるじゃないですか。

ありの〜ままの〜ってね。

まぁ、このネタはさすがに古いけど。

やっぱり、意識してもらうにしても、

好きになってもらうにしても、

いつも通りの自分で

そんな風に思ってもらえる事が1番だもんね。

それなりの格好していけばいいかな〜。

…もちろん、

お気に入りのかわいいやつにするけどね。

…髪の毛、かわいくできるように練習しよう…

私は、本棚からファッション雑誌を

ごそごそと取り出して、

ヘアアレンジのページを開く。

「えーと…3ステップでカンタン!

髪の長さ別ヘアアレンジ100…って、

こんな凝ったのが3ステップでできるわけないじゃん…」

自分が不器用でうまくできないのを

雑誌のせいにしながら、私は髪を弄った。