そっか…

松岡さん、頑張ってるんだなぁ…

きっと、そうちゃんに少しでも良い印象を与えられるように、変わろうとしてるんだろうな、って思う。

本当にそうちゃんが好きなんだって、改めて気持ちの大きさを知った。

だけど、ちょっと切ない。

松岡さんがそうちゃんのことを好きなことを知っているから、そんな風にそうちゃんからのイメージが良くなってるのは、ライバルとしては喜んじゃいけないのかな、って。

「ま、ほら、帰ろー。

私これ以上ここにいたら、さみしくて泣いちゃいそうだわ。」

羽奈ちゃんが冗談っぽく言いながら私たちの背中を押す。

それ、ふざけてるように見せかけて本心でしょ?

だって、声がすこし詰まってるもん。

…羽奈ちゃんのことも、この1年ですごいわかるようになったな…

すごくすごく濃い日々だったし、あっという間だった。

もちろん、それが終わったわけではないけれど。

私も、松岡さんに負けないくらい、そうちゃんの好きな人にも負けないくらい、素敵な人になりたいなぁ…

色んなことを考えながら、私は教室を出た。