ひよこ。


ふと気づくと、羽奈ちゃんも樋口くんもうるさいくらいにニヤニヤしてて、恥ずかしくなった。

「…さて、俺らも帰りますか。」

樋口くんが頬を抑えながらそう言った。

「竹井さん。」

それとほぼ同時に、誰かが私に声を掛ける。

振り返ると松岡さんがいて、予想外の人物に戸惑う。

この人とは、あんまりいい思い出がないからなぁ…

そう思って私は、少し身構えてしまう。

だけど、松岡さんから出た言葉は意外なものだった。

「ごめんね、この間も、球技大会のときも。
竹井さんに言われてやっと、気づけた。
こんなことしてても意味ないな。って。
…でも、私諦めないから。
お互い、頑張ろう。」

松岡さん…

そんな風に考えてくれてたんだね。

それなのに、私って…

松岡さんは恥ずかしかったらしく、それだけ言うとさっさと言ってしまった。