「あ、竹井!」

いきなり声をかけられて、少しびっくりする。

「先生に奏太郎のプリント頼まれたんだけど、今日用事あって行けなくてさ…」

…もしかして

「竹井、行ってきてくんね?」

………やっぱり。

「このクラスで他に奏太郎の家知ってるやつ、竹井くらいしかいねぇんだよなぁ…」

「陽依、行ってあげたら?」

羽奈ちゃんが背中を押す。

うぅ……仕方ないか…

「うん…わかった。」

「ありがと!マジ助かる!」

樋口くんに予想以上に感謝されてちょっと嬉しくなる。